カ
カドさん (81lui5q5)2021/8/31 20:58 (No.4378)___ねぇ…、私と一緒に堕ちてよ……____
【名前】
清水 楽生(きよみず らな)
【性別】
女
【年齢】
17
【性格】
一言で言うならマゾヒズム、不幸であればあるほど幸せを感じてしまう。これは生まれながらに備わった彼女の能力で、傍から見ればあまりにも哀れに写るだろう。楽生自身も自分がおかしいことは認識しているので普段は隠している。どんな顔をしてどんな仕草をすれば相手にどんな印象を持たすことができるのかが分かっている。頭はいいが成績は死んでいる。
いつも穏やかな笑みを浮かべており滅多に表情を崩さない。
その笑顔がまた、彼女の人間らしさを薄れさせているように見える。
【容姿】
現実世界時
少しくすんだ明るいミルク色の柔らかな髪の毛をサイドテールにまとめている。オレンジの鮮やかな瞳をはめたぱっちりとした目の可愛らしい顔立ちをしている。服装は制服が多いが遅刻、早退、無断欠席の常習犯。
電子世界時
現実世界ではサイドテールにまとめている髪をおろし、右目が前髪で隠れている(髪の毛の隙間からうっすら見える程度)隠れた右目は吸い込まれそうなほど真っ黒で動く度に水面ように小さく揺れる。左目は現実世界と同じ鮮やかなオレンジ色。黒いチョーカーを身につけ、ノースリーブのインナーの上からサイズの合っていないコートを腕にかける形で着ている。
【契約】
《召喚(サモン)》
【ランク】
A
【カタストロフィ】
『おいで、アビー』
彼女と契約した人ならざる者『アビス・ヴァルトス』を呼び出す能力。ここではヴァルトスと訳すこととする。ヴァルトスは沼の化身だ。とは言っても一般的な沼とは大きく異なり、その体は人間やその他の生物の憎悪、悪意、嫌悪感といった所謂負の感情が具現化した者。
そんなヴァルトスを召喚し巨大な沼地を生み出すというのがこのカタストロフィの詳細である。1度足を取られれば抜け出すのは非常に困難であり、完全に呑み込まれれば負の感情に飲み込まれ理性を失い何かを傷つけ、憎むことしか考えられなくなる所謂「闇堕ち状態」に陥る。更にこの能力のタチの悪い所は一定時間が経過すると段々と正気に戻ってくるところだ。正気に戻ったところで闇堕ち状態時に自分が行った悪行は消えない。大抵の人間は罪の意識に苛まれ閉じこもってしまいうつ病に陥る。
(ここまででお気付きだろうがこのカタストロフィは直接命を奪う能力ではないのだ………だって、死んでしまったら苦しみは終わってしまうでしょ?)
それでも不屈の精神を持つものならば立ち直ることが出来るだろう。_________因みに楽生も契約時にヴァルトスに呑み込まれている、というよりもヴァルトスに呑み込まれヴァルトスという存在を受け入れることが契約条件なのだ。結果はご覧の通りだ。楽生はヴァルトスの全てを受け入れる事に成功した。しかし、いくら楽生にヴィランの素質があったとはいえ、根本はただの人間に過ぎない。楽生がヴァルトスを受け入れるのにどんな苦行に耐えたのか___それはまた別のお話。
これは余談だが、ヴァルトスの性質上ヒーローのような正常な精神を持った者には毒だが、逆にヴィランのような【不幸にする存在として生まれ変わった】者ならば逆に心地よいものだ。現に楽生はヴァルトスを風呂代わりに使うこともある。(笑うところです)
この能力のデメリットとして使えば使う度に強い倦怠感に苛まれる。
本気を出せば国ひとつを落とせる程の大きさを召喚できるが、その場合立っていられないほど体力を消耗し、最悪死に至る。
楽生1人で能力を使う場合、彼女の血をヴァルトスと同じ成分にすることが出来る。これを楽生は「ちびアビー」と呼んでいる。ちびアビーは召喚された後は楽生の周りをぷかぷかと浮いて、楽生が命令した通りに動く。弱いが意思もあるようで時々楽生にすり寄るような動作を見せじゃれているようにも見える。使わなくなったら楽生が食べてしまえば消えるがら血には戻らない。
もし、楽生が一日に使える能力の許容を超えた能力を使い、とんでもない大きなのヴァルトスを…本来の姿のヴァルトスを呼び出した場合、まず記憶が消えていく。そして人格が破壊され、植物人間となり、今度こそヴァルトスに呑み込まれてしまうだろう。
【アビス・ヴァルトスは現在観測可能領域に「底」「岸」共に観測されていない。】
【備考】
清水 楽生は不幸に溺れている、不幸な自分に酔っているのだ______アビス・ヴァルトス
清水家は2人の子供とその両親からなる極々一般的な家庭だった。
特別な事情など何も無く幸せな「普通」を享受していた。しかし、その生活はひとつの事件によって壊れることになる。清水家の末弟が亡くなったのだ。登校中トラックに轢かれて、他にも大人子供含む7名の死傷者を出した大事件に巻き込まれたのだ。享年8年の短い生涯を終えた。
そこから狂いだした。「普通」を当たり前としてきた家庭はいきなり起こった理不尽に耐えられるほど強くはなく、彼らはあまりにも軟弱であっという間に家庭は崩壊した。父親は酒を飲み平気に暴力を振るうようになった。母親は妙な宗教に属し、いもしない神に救いを求めるようになった。そんな中残された13の長女は荒れゆく両親をみて何を思ったのか、あまりの哀れさに絶望したか、それとも最愛の弟を失い、両親まで狂ってしまった悲しみに泣き崩れたか……否、答えは否である。
彼女は歓喜した。突如現れた理不尽に、前触れなく現れた非日常に。歓喜し、感謝を述べた。
「私はなんて不幸なのかしら!!」
清水楽生という女は生まれながらに狂っていたのだ。不幸を喜び、苦しみを好む。驚異的なマゾヒズムとでもいうのだろうか。とにかく彼女は不幸を愛していた、それなのにも関わらずただ毎日繰り返される「普通」の生活に飽き飽きし、気が狂いそうだったのだ。あぁ、なんて哀れで可哀想な少女、生まれながらに狂った愚かな運命。それでも彼女は幸せだ。だってこんなにも不幸なのだから。
清水家の黙示録
長男である清水 ☆○の死亡後家庭環境は崩壊、残された長女清水楽生は長男の死亡から半年後に突如失踪する。そして2年の月日を経て帰ってきたのだ。
とてつもなく大きくて深い、
深淵のような影を引き連れて___
「ただいま、お父さん、お母さん」
【SV】
「私は清水 楽生、私にぴったりないい名前でしょ?」
「ねぇ、アビー、今朝沈めた彼の調子はどう?そろそろいい具合いに出来上がってるんじゃない?ちょっと出してみてよ」
「確かに私はおかしいかもね、でもそれが何?私はこれで幸せで楽しく生きられる、ずっと隠して、偽って、騙して、我慢して生きてきたの、これくらいの自由は許されるでしょ?」